カナダのクリスマス
カナダのクリスマスって?
カナダではクリスマスが一年中で最も大切な日です。世の中にはもちろんクリスチャン以外の宗教を信じている人もいますが、クリスマスは多くの人にとって特別な日です。
12月に入るとクリスマスツリーが飾られます。モールや繁華街にはクリスマスミュージックが流れ、店には子供たちが好きなおもちゃやお菓子も並びます。町がクリスマスの雰囲気になります。
クリスマス前には学校も職場もクリスマス休暇に入ります。仕事場でもクリスマスパーティをすることもありますが、クリスマスの前や都合に良い日に催すことが多いです。
基本的にクリスマス・イブやクリスマスの日は家族で過ごします。若い夫婦で子供がいる場合は家族だけで、子供が大きくなって働いたり、結婚したりしている場合は、子供が戻ってきたり、パートナーと一緒に来ることもあります。
家族が集まったり、帰省したり、日本のお正月のようなものですね。
クリスマス・イブ
カナダで家庭を持っている人々の典型的なクリスマスの過ごし方を紹介しましょう。
クリスマス・イブは家族中心に過ごします。ディナーを食べながらみんなで楽しくおしゃべりします。
子どもたちは食事を済ませたらベースメントに行きます。家によって異なりますが、ベースメントにビリヤードがあったり、ダーツがあったりします。テレビも置いてあり、テレビゲームをしたり、カードゲームをしたりして遊びます。今ならスマホで個人的にゲームをしたり、SNSに興じたりするかもしれませんね。
その間、大人たちはお酒を飲む人が多いので、まだ食卓に座って話をしています。一段落つき、今度はリビングルームのソファに腰かけ、またお酒を飲みながら歓談します。この日はのんびりリラックスするのです。
カナダでは、大人は大人で楽しみ、子供は子供で楽しむのが普通です。
クリスマス・ディナー
クリスマス・イブに食べるディナーは豪華です。お母さんは朝から食事の準備で忙しくしています。
お祝い事があるとターキー(七面鳥)を食べる家庭が多いです。ターキーはオーブンに4,5時間入れて焼きます。
他にもアピタイザーやサイドディッシュなど、テーブルいっぱいの食べ物が並びます。もちろんスーパーで買ったものもありますが。。。
(この時期にはスーパーなどでクリスマス用の食べ物を販売しています)
クリスマスの朝
クリスマスの朝がやって来ます。子供たちは早く起き、もうリビングルームにいます。そこにはクリスマスツリーが飾ってあり、ツリーの下にはきれいに包装されたプレゼントが並んでいます。子どもたちはプレゼントを触ったり、持ち上げたりして、「中身は何かなあ」と想像しています。
我慢できなくなったお兄ちゃんが弟に、「パパとママを起こしてきて」って命令に近いお願いをしています。幼い弟は両親が寝ている部屋に入っていき、パパとママに「早く起きてよー、もう朝だよー」と目覚まし時計になっています。
ちょっと二日酔い気味のパパとママがやや疲れた様子で欠伸をしながら起きます。弟はパパとママの手をつかんでリビングルームに連れていきます。
クリスマスツリーにぴったりくっついていた兄がパパとママに「おはよう」を告げます。彼の瞳は、暖炉の炎が映っているがごとく、とても輝いています。
普段聞かない猫なで声を発しながら、
「ねえ、ねえ、もうプレゼントを開けてもいい?」
「ああ、いいよ、開けてごらん」
「うわーい、やったぁー!」
と、カナダのクリスマスの朝はこういう感じです。
暖炉の火を見る理由
カナダではカウボーイたちがロデオをする番組がときどき放送されます。カントリーミュージック専門の番組もあり、そこそこ人気があります。カナダにはそういう番組があり、少なからずの人々が見ているのです。
また、暖炉のファイヤーだけを映したテレビ番組もあります。映るのはパチパチと薪が燃える音と火がゆらゆらと揺れている画面だけです。
きっと、これはノスタルジアというか、ルーツを懐かしむ思いがあるからだと思います。
昔、男性は獲物を求め、狩りに出かけました。獲物を獲って家に戻って来た後、火を囲みながら、猟の話をはじめ、いろんな話をしたのでしょう。このことが狩猟民族であった白人たちにとっては忘れられない思い出なのかも知れません。
もちろんテレビ事情もあるかと思います。クリスマス前後は仕事も休みなので、テレビ関係者も番組作りを休憩します。その間、昔の映画やドラマを放映するのですね。これは日本の正月前後に映画が増えたり、ドラマの再放送をしたりするのと同じですね。日本では一日中暖炉を放映していることはありませんが。。。
※日本では年末に忠臣蔵が放映されるように、カナダではクリスマスの時期にいつも「ホームアローン」(HOME ALONE)が放送されます。