ボクシングデー
クリスマスセール
クリスマス・イブは盛大な晩餐をし、家族の絆を確かめ合うのが西洋風です。クリスマスの朝はみんなのんびりします。でも、子供たちはクリスマスツリーの下に積み上げられたプレゼントが気になって仕方がありません。朝ごはんの前にみんなで品物を開けることになります。
クリスマスの前には当然大勢の人たちがプレゼントを買いに走り回ります。ショッピングセンターでは駐車する場所を探すのに一苦労です。でも子供たちの喜ぶ姿を想像したら、そんな苦労もへっちゃらです。
町ではいろいろな店がクリスマスセールを行っています。どこの店も通常より値引きして品物を売っています。
30%引きや半額セールをしている店も少なくありません。プレゼントするためにだけじゃなくて、もちろん自分用の品物も手に入れることもあります。だってふだんより安いんですから。。。
ボクシングデーとは
さて、クリスマスの前にはそんな安売りの商品が並びますが、一年中で最も品物の値段が安い日があります。それがクリスマス明けの26日にあるボクシングデーです。
ボクシングデーは26日に目玉商品を販売するのですが、ボクシングデーの日から3日間や1週間、セールをする店もあります。
ボクシングデーセールのことはクリスマス前から新聞やウェブサイトで宣伝しています。クリスマスの日の午後、大人は暇なので、このチラシを見て、ボクシングデーには何を買おうかと期待に胸を膨らませます。
普段から買いたいものを見つけておいて、同じ品物が安くなるのを待っている人もいます。特にテレビをはじめ、家電製品、またノートパソコン、タブレットなどのコンピューター製品を狙っている人が多いです。
このように比較的高価なものが安くなるので、かなり得します。ですからボクシングデーでの買い物は外せないのです。
ボクシングデーと言われる理由
これにはいろいろな説があります。
次の話で正解はどれでしょう?
1.教会の人が貧しい人たちのために寄付のための箱を用意し、寄付を募り、クリスマス翌日にその箱(box)を開けて配った。
2.昔、お金持ちの家の召使たちがクリスマスの日まで働いたので、そのねぎらいのために翌日の26日を休日にした。そのときに感謝の意を込め、箱にプレゼントやボーナスを入れて渡した。
3.子供たちが自分がもらったプレゼントよりほかの兄弟姉妹のプレゼントのほうがよかったので、自分以外の人の箱を殴り合い(boxing)して奪い合った。
4.クリスマスにもらったプレゼントが気に入らないので、箱(box)に入れて売った。
5.ボクサーたちがもっとボクシングの人気を高めようとこの日をボクシングデーと決めた。
なんか3.4.5は信じられませんねー
あははは。はっきり言って、どれも確かではないのじゃ。
でも言えることは、クリスマスの翌日はボクシングデーという休みがあり、その日は大バーゲンが催されるってことですね。
ボクシングデーの買い物
ボクシングデーには朝6時に開店する店もあります。特に安くしている商品には「Door Crasher」と銘打たれ、70%引きにもなるものもあります。
crashという動詞は「衝突する、突進する」という意味で、名詞では何かが激しくぶつかることや、そのときの大きな音を表します。「Door Crasher」は欲しいものを目指してドアに突進していく客のことですね。そうそう、日本のバーゲンのときのおばさん連中を想像すればいいのです。
私のボクシングデーの経験
私も朝早くボクシングデーの買い物に4年ぶりに出かけました。このときの話をしましょう。
カメラとコンピューター関係の品物が欲しかったので、前もってインターネットで調べておきました。いくつかメモをして5時50分に家を出ました。この店までは車で5分もあれば行くことができます。この時期のバンクーバーは日の出が8時10分、日の入りは4時20分ぐらいですので、あたりはまだ真っ暗。
店に着くと既に多くの人が列を成し、ぞろぞろと店の中に入っていくところでした。200人はいたでしょうか。。。
店の中は活気に溢れていました。ショッピングカートに山ほど品物を積んだ人もいます。両手に品物をいっぱい持って、まだうろうろしている人もいます。買い物に疲れて休憩している人もいました。
私はメモをしてあった品物を探しました。品物によってはたくさんストックされているものもあります。これなら後30分は売り切れないなぁと思うものは後回しにして、早く無くなりそうなものの場所へ行き、先にそれを手に入れました。
混雑するレジ
これで前もって調べておいた品物はすべて手に入れました。あとはレジで支払いを済ますのみです。
ぐえ~。レジには大行列が。。。
これが国会でときどき行われる牛歩ってやつでしょうか。。。みんな品物をたくさん購入しているのでなかなか進みません。
待っている間、暇なので店に置いてあるフライヤー(チラシ)を見ていると、また欲しいものが見つかりました。後ろの客に「すみませんが、ちょっと私の順番を見ていてください」と頼み、取りに行きました。
進み具合は相変わらず遅く、5分たっては1歩、また5分たっては1歩進むぐらいです。
またフライヤーを見ていると、もう1つ買いたいものが見つかったので「またまたすみませんが、私のスペースをキープしておいてくださいませんか」と頼み、走ってゲットしてきました。
人間、時間がありすぎると余計なことを考えてしまいます。買わなくて良いものまで買ってしまったかもしれません。(苦笑)
結局、自分の支払いの番が来たのは1時間ほど経ってからでした。買い物が終わり、外に出てみると、空はもう明るくなっていました。
買い物に行くには何時がいい?
朝の6時から開けている店に買い物の目的がある人は、早朝に出かけて8時頃には買い物を済ませます。こういった第一陣が店からいなくなるので、9時前後が空いていると思います。
でも多くの店は11時からオープンするので、これといった目的がなかったり、行った店で安売りしていたら買おうかと思っていたりする人は11時を目指して出かけます。この頃から人が多くなるので、駐車場に車がいっぱいになります。
ネット販売
数年前に比べると買い物客が少なくなっているなぁと感じます。今は店に直接買いに行くより、ネットで買う人が増えているからでしょう。ボクシングデーは12月26日ですが、オンラインでは数日前から安売りしている店もあります。
定価と安売り
ところで、ボクシングデーのときに見知らぬカナダ人のおばあさんと少し立ち話をしたときの話です。おばあさんは「こんなに安くしても利益があるなんて、普段よほど大儲けしているのよね」って腹立たしそうにつぶやいていました。私も「定価で買うって何だろう」と思いました。
この前、日本に一時帰国していたとき、ユニクロのフランネルシャツを2,490円で買いました。そうしたら2週間後には安売りをしていて1,980円になっていました。それから、もう2週間経ったら、今度は1,490円になっていました。1か月待っていたら1,000円も安くなっていたのです。
定価で買うのはよほど時間がなくて仕方がないときや急にどうしても必要なら仕方がありませんが、もし同じ品物が安売りするのならばそれまで待って買う方が得ですね。ですから、多くの人がボクシングデーを楽しみにしているのです。