日本も中国もお金で買えるの?
はい、売っています。
japan や china は安いものだと数百円で買うことができます。
ん!? よく見ると japan も china も頭文字が小文字ですね。
国名のときは Japan や China と大文字で書き始めますよね。小文字で始まると、japan は漆器、そして china は陶磁器のことなのです。
漆器とは漆(うるし)を塗ってつくった器です。漆はうるし科の落葉高木から採取した樹液です。肌に触れると痒くなります。
陶磁器とは磁器と陶器の総称で一般に瀬戸物ともいいます。
磁器=陶土で形を作り、うわぐすりをかけて高温で焼いた焼き物。焼き上がりは素地がガラス化して半透明となり、吸水性がほとんどなくなります。中国の磁州(今の河北省の磁県)で多く作られました。(学研・現代新国語辞典による)九谷焼や有田焼などがそうです。
陶器=陶土で形を作り、うわぐすりをかけて低い温度で焼いたものです。磁器に比べて焼き締まりが弱く多孔質で吸水性があり不透明です。備前焼や信楽焼などがそうです。(学研・現代新国語辞典による)
磁器は英語で porcelain 、陶器は pottery といいますが、陶磁器を総称してceramics とかchinawareといいます。
ところで、どうして日本のことを Japan というのでしょう?
わが国が「日本」と名乗ったのは、701年に作られた「大宝律令」の中でです。そのころは日本と書いて「やまと」や「ひのもと」と読んでいました。そして、奈良時代になって「にほむ」と発音されるようになりました。
中国では日本のことを「倭」と言ってましたが、唐代に入り日本国を「ji-pen-kuo」と発音していました。kuo は国のことです。
この頃、シルクロード(絹の道)により中国とヨーロッパの交流が盛んになり、いろいろな物や文化が行き来するようになりました。アジアの東のほうに「チパング」という国があることも伝わりました。この「チパング」はしばらくして「ジパング」と呼ばれるようになりました。
そして、イタリアの旅行家、マルコ・ポーロ(1254~1324)が「東方見聞録」の中で日本のことを「黄金の国」と記して以来、「ジパング」のことはヨーロッパで有名になりました。このことは後の大航海時代にヨーロッパ人がアジアを目指して航海するようになる一因でもありました。「ジパング」は、その後、新たに「Japan」と変化しました。
※日本のことをジャパンと呼ぶようになったのには諸説ありと言われています。
カナダにも china はたくさん店で売っています。でも japan はほとんど売っていません。おせち料理の器や御椀などはやはり漆器がいいですよね。
日本の有名な陶磁器産地一覧
石川県 - 九谷焼
福井県 - 越前焼
愛知県 - 瀬戸焼
滋賀県 - 信楽焼
京都府 - 楽焼、清水焼
岡山県 - 備前焼
山口県 - 萩焼
佐賀県 - 唐津焼、伊万里焼