今日の気温は100度!?
トロントの夏の気温は100度ある
随分昔のことですが、初めてカナダに遊びに来たときのこと。夏でした。バンクーバーの親戚の家からトロントに住んでいる親戚のおじさんに電話をかけました。話の中でおじさんはこういいました。
「今、こっちは暑いよー。今日の昼間は100度もあったよ。」
ひゃ、ひゃく度!? 聞き間違えたのかと思い、もう一度尋ねました。
「えーっ、100度もあるのですか?」
「あっ、そうそう、カナダでは日本とは違う表し方をするんだよ。」
「そうなのですかー?」
「摂氏じゃなくて、華氏を使うんだよ。」
「なるほど、それで100度にもなるんですねー。」
これで納得!
華氏100度というと、まず、100から32を引いて68。68を5倍して9で割ると、37.777・・・。摂氏で表すと約37.8度ということになります。
数式を見たほうが早いかもしれませんね。
Cは摂氏の数字
Fは華氏の数字
華氏から摂氏に変換
ついでに。。。
摂氏から華氏に変換
もう少し具体的な例を挙げましょう。
日本にいるさゆりさんがニューヨークにいるアマンダさんに電話をしました。そのときに気温のことが話題に上りました。
日本の気温が20度でした。さゆりさんは摂氏、アマンダさんは華氏でしかわかりません。
さゆりさんはアマンダさんに何度と言えばいいのでしょう。
計算です。
20割る5で4。
4掛ける9で36。
36+32で68。
摂氏20度は、華氏では68度ですね。
メートル法
1960年代後半からメートル法へ切り替わり、世界の多くの国がメートル法を採用しました。摂氏も導入されました。
でも、アメリカは頑なにメートル法を採用していません。恐らくいろいろな分野において変更するのに莫大な費用が掛かるから躊躇しているのでしょう。ひょっとして、なんで俺たちがメートル法に追随しないといけないのか、と思っているのかもしれませんね。
おじさんは戦前にカナダ移民になったので華氏で表現したのでしょう。現在カナダでは温度は摂氏で表示するようになりました。
ただし、カナダで放映される天気予報番組では摂氏と華氏の両方で表していることが多いです。
台所のオーブンなどは華氏で表されているものもあります。恐らくアメリカからの商品が多いからだと思います。
でも最近の商品は摂氏と華氏の両方を表記している品物が多いです。アメリカ国内だけでなく、国を超えて商売しなくてはならないですから。
使用する単位が違うといちいち計算しなければならないので面倒ですね。
ちなみに、トロントの夏は暑くて、冬は寒いですが、バンクーバーの夏は涼しくて、100度にはなりません。それに冬はほとんど雪が積もりません。カナダは広いので気候もいろいろですね。
華氏と摂氏についての豆知識
それはそうと摂氏も華氏も名前が独特ですね。それぞれの名称の成り立ちを記しておきましょう。
摂氏
摂氏はCelsius(セルシウス)のことです。英語読みではセルシアスと発音します。スウェーデンの天文学者アンデルス・セルシウスが1742年に考案しました。後に改良されて今に至ります。セルシウスの頭文字から“℃”と表されます。
セルシウス温度計は氷点が0度で、沸点が100度です。でも最初にセルシウスが提案したのは、水の沸点が0度で、氷点が100度でした。現在の表記とは逆の目盛りでした。
華氏
華氏はFahrenheit(ファーレンハイト)と言います。ドイツの物理学者ガブリエル・ファーレンハイトが1724年に提唱しました。ファーレンハイトの頭文字を取って“°F”と書き表されます。
華氏(℉)は水が凍るときの温度を32度、そして、沸騰するときの温度を212度です。そして氷点と沸点の差である180度を100で割って1度としています。
カナダ:摂氏:℃:Celsius(セルシアス)
アメリカ:華氏:°F:Fahrenheit(ファーレンハイト)
「度」の表し方
「度」を英語ではdegreeと表します。
例えば、「この部屋の温度は25度です。」なら、
「It's 25 degrees in this room.」
若しくは、
「The temperature in this room is 25 degrees.」
と言います。