前後あべこべ
日本語と英語の姓名の順
今まで日本人の名前を英語表記する場合、名前(名)が先で名字(姓)が後になっていました。
例えば、「坂東太郎」、「筑紫次郎」、「四国三郎」などは「Taro Bando」、「Jiro Tsukushi」、「Saburo Shikoku」のようにです。
これは明治維新のときに西洋の真似をして、John LennonやTom Cruiseのように名+姓の順にしたからです。
近頃の日本や外国の新聞では中国の習近平をXi Jinpingと中国で表す姓+名の順で記述しています。
日本名も日本で使われているように姓+名の順にしたほうがいいという意見が増え、以下のように決まりました。
2020年(令和2年)1月1日から、公文書などで日本人の名前をローマ字で書くとき、姓名を最初に、名前を後に書くこと。
日本人が外国に行ったら。。。
ローマ字で名前を書くときは姓+名という順にすると決まったなら、日本人が外国に行ったときに名前の書き方はどうなるのでしょう?
ご存じのように英語ではFirst name(ファーストネーム)や Last name(ラストネーム)と言って名前が先で姓名が後に来ますね。
※First nameのことをgiven nameやpersonal name、そしてLast nameをsurnameやfamily nameということもあります。
外国に行ったとき、通常の名前を書くときはやはり名+姓でいいと思います。
「郷に入れば郷に従え」です。
「姓名を最初に、名前を後に書く」と決まったことで、日本の慣習をよく知っている人は急に前後が入れ替わったら混乱するかもしれませんね。
でもパスポートや銀行での手続きなど、公文書や重要な書類などではsurnameやgiven nameなどとわかるように書いてあることが多いです。
教育委員会などでは日本からの留学生の名前をわかりやすいようにするため、姓名を大文字で、名前を小文字で書いたりします。
また最初に姓名を書き、そのあとカンマを打ってから名前を書いたりすることもあります。「Yamada, Taro」や「Akai, Hanako」のようにです。
学校は生徒をきちんと把握しておかなければなりませんから。
逆に書いても同じ名前?
めったにないことですが、「三木美紀さん」や「南美波さん」などは姓と名が逆になっても問題なさそうです。
でも、この人たちは英語でもひらがなでも自分の名前を書くときには「同じことを二度書かないでください」と言われるかもしれませんね。(笑)
自分の子供に名字と同じ発音の名前を付ける親はいないと思いますが、結婚する前は別姓だったのにたまたま結婚した相手によって名前と名字が同じ発音になることもあるかもしれません。
好きになってしまったら仕方ないですね。
日本語と英語では逆になる言葉
話題は少し変わりますが、対になっている言葉で日本語と英語では逆になる言葉があります。
例えば、日本語で「白黒」とういう語句がありますが、英語では日本語をそのまま訳して「white and black」とは言いません。英語では「black and white」のように「黒白」と黒が先に来るのです。
同じように「左右」は「right and left」のように「右左」の順になります。
このように対義語をセットにした語句はたくさんあります。 もちろん「東西」は「east and west」、「上下」は「up and down」のように日本語と順序が全く一緒の語句もありますが、ここでは順序が異なる語句を示しましょう。
余談ですが、「少年少女」は「boys and girls」と言いますが、「紳士淑女」の場合は「ladies and gentlemen」となります。
女性も年頃なるとレディースファーストなんですね。
※対義語は英語でAntonymといい、意味が反対となる語や、意味が対照的になっている語のこと。
ついでに同義語はsynonymといいます。