紅葉シーズン

カナダの秋

カナダの秋
カナダの秋・スタンレーパーク

先日、といっても1か月ほど前ですが、カナダの友人から、近所の公園の木々が紅葉してきた、寒くなってきた、とメールをもらいました。

日本では四季がはっきりしていますが、カナダは緯度が高いので、暗くなる時間が増える冬が長く、秋は短いです。短い秋の間ですが、木々の葉っぱが色づき、やはり秋を感じます。

カナダの紅葉シーズン

秋が来たしるし
秋の兆しが感じられる木の葉の色

バンクーバーでのことですが、9月中頃になると紅葉し始める木があります。そして、10月半ばには葉が落ち始めます。

日本では10月の終わりごろから次第に山々が赤色や黄色に染まり始めます。とてもきれいです。それを見に旅行する人も多いですね。

カナダでも紅葉シーズンがあるのですが、紅葉のシーズンだからといって紅葉を見るために特別に旅行に行ったりはしません。カナダ人も紅葉の美しさを感じはしますが、日本人ほどではありません。

桜の花にしても日本人はその美しさや短命にして散ってしまう花びらにセンチメンタルになったりしますが、カナダ人はただ美しい花という認識しかないのです。

カナダの木々の色

日本では赤や黄に染まる木々が多く、しかも色が鮮やかできれいですね。カナダでは日本の紅葉ほど色鮮やかには変化しない木が多いように感じます。全体的に紅葉する木が少ないからでしょうか。もちろん赤く染まる木もありますが、どちらかというと黄色のほうが多いように思います。

落葉樹と針葉樹

落葉樹には紅葉する木が多く、針葉樹でも紅葉するものもありますが、その数は非常に少ないです。カナダには針葉樹が多いので、その分、紅葉を目にする機会が少ないのです。落葉樹は名前の通り冬には枯れて葉っぱが落ちてしまう木です。

葉っぱの色

紅葉とは字のごとく葉っぱが紅(赤)くなることですが、一般的には葉っぱが黄色くなったり、また、褐色になったりするのも「紅葉」に含まれます。紅葉は黄葉とも書きます。

「紅葉」は葉が赤く変化するもので、その代表はやっぱりカエデ。
「黄葉」は葉が黄色く変化するもので、その代表がイチョウですね。
「褐葉」は葉が褐色(赤茶色)に変化するもので、代表的な木はトチノキやブナ、クヌギなどです。

紅葉する理由

どうして葉っぱが赤くなったり黄色くなったりするのかというと、葉で作られた糖やアミノ酸などが光合成によっていろんな色素が作られるからです。

葉っぱの中の色素を作り出す酵素の違いや、気温、水湿、紫外線などの自然条件の違いによって葉の色が赤色や黄色や褐色に変化します。

※光合成とは太陽の光によって葉っぱの中の成分が化学反応を起こすこと。

赤く染まったカエデの木

紅葉の原理

葉の赤色は色素「アントシアン」に由来します。アントシアンは葉に蓄積したブドウ糖や蔗糖が紫外線の影響で発生します。

黄色く染まった木

黄葉の原理

葉の黄色は色素「カロテノイド」によります。カロテノイドは葉緑素の影響により目立たなかったが、秋に葉の葉緑素が分解することにより、目につくようになります。

赤茶色に染まった木

褐葉の原理

褐色は葉の中の「タンニン」によります。お茶に含まれるのと同じタンニンです。元々どの紅葉する葉にも含まれていますが、紅葉するアントシアンの生成が少なかったり、老化したりすると褐葉になることがあります。