3.11 東日本大震災

東日本大震災

毎年3月11日になると思い出すのが東日本大震災です。正式には「東北地方太平洋沖地震」といいます。地震が発生したのは2011年(平成23年)3月11日(金)の午後2時46分でした。日本ではかつてない大きな地震で、マグニチュード9.0、最大震度は7でした。

当時、私はバンクーバーに住んでいたのですが、カナダのテレビでも地震と津波のことが放映されました。あの映像は今なお忘れられません。

真っ黒な波が押し寄せ、道路に海水が溢れ、家屋が流されました。最も悲惨だと思ったのは、逃げろと叫んでいる人の目の前から人が津波に飲み込まれる様子でした。多くの家族が、知り合いが、死んでしまったのです。トラウマになっても仕方がありません。

東日本大震災では、死者が19,747名、行方不明者が2,556名、そして負傷者が6,242名だそうです。

バンクーバーでの地震記事

バンクーバーの新聞やテレビニュースでも毎日のように日本の地震の記事が掲載されたり、放映されたりしていました。

新聞に東日本大震災のニュース
一面を飾る東日本大震災のニュース
東日本大震災の津波のニュース
津波や被災者の様子
東日本大震災のテレビニュース
テレビでも頻繁に取り上げた

新聞の記事は途中から原子力発電所の事故を多く掲載しだしました。原子力発電所が壊れた場合、後の処理をどうするか、自分たちも勉強になるからしっかりと見守っているのでしょう。カナダを含め、先進国のほとんどが原子力発電を行っていますから。放射能が拡散すると大惨事になることはチェルノブイリで体験しています。

バンクーバーの原子力発電関係の人はバンクーバーの原子力発電所は安全であると言っています。ですが、実際にマグニチュード9.0の地震が起きたらどうなるのでしょう?地震といい、津波といい、東日本大震災は想像をはるかに上回る巨大なものでしたから。

カナダにも地震があるの?

環太平洋火山帯の地図
環太平洋火山帯の地図

東日本大震災のニュースによってバンクーバーにもいつかは地震が来るかもしれないと警告しはじめました。なぜならバンクーバーも環太平洋火山帯の上にある町ですから。


上の図でわかるように太平洋の周りには火山の帯があります。環太平洋火山帯です。英語では「Pacific Ring of Fire」といいます。Pacific Oceanは太平洋のことです。


日本人留学生が多く犠牲になってしまったニュージーランドの地震や、その前にもチリインドネシアでも大きな地震が起きました。それらの場所はすべてこの環太平洋火山帯の上にあります。

カナダで地震発生のニュース

朝、テレビを見ていたら、夕べ地震があったとニュースで言っていました。震源地はBC州の州都であるビクトリア市から北西に19kmの地点。震源地の深さは60kmで、マグニチュード4.7の地震だったそうです。

この地震は2015年の12月29日、夜の11時39分に起きました。バンクーバーは震源地から100km近く離れているので震度2か3ぐらいあったのではないかと思います。でも夜中で寝ていたので揺れを感じなかったです。

バンクーバーから海を隔てた西側にバンクーバー島があります。そのバンクーバー島の沖合で太平洋プレートファンデフーカ(the Juan de Fuca)プレートとがぶつかっています。なのでプレートが動くたびに地面が揺れます。

実際にBC州では身体に感じない地震を含めて年間1200回もの揺れを観測しているといいます。ちなみに日本では年間5000回ほど地震が起きているそうです。

ですが、私は20年以上バンクーバーに住んでいましたが、その間に一度も地震の揺れを感じたことはありません。

バンクーバーではごく一部の人しか地震の心配をしていません。でも用心に越したことはないですね。

カナダ人は地震を経験していない

震災時に日本いたカナダの留学生
無事カナダに戻り喜ぶ女子留学生

上の写真はカナダから仙台の高校に交換留学生として滞在していたカナダの女子高生。東日本大震災の後、無事にバンクーバーに戻ってきたときの空港での様子です。


バンクーバーでは体に感じる地震というのはほとんどありません。ですから、この女子高生はさもびっくりし、怖かったに違いありません。

同じくカナダから宣教師として宮城県に滞在していたカナダ人の神父さんは地震のショックで心臓まひを起こし亡くなったそうです。

カナダでは地震がほとんどありません。だから地震がどういうものか体験していないのでわからないのです。

この記事の見出しに「Vancouver not ready for a major quake」(バンクーバーは巨大地震に対する準備はできていない)と書いてあります。

カナダの緊急警報

緊急警報をスマホに発信
BC州の緊急警報がスマホに届く

BC州在住者の安全のために警告を発するシステム「BC Emergency Alerting System」があります。先日、その予行練習が行われました。メッセージが来た時刻は午後1時55分。

この警告は人命にかかわる自然災害や事件が起きたときに発信されます。主要なテレビ番組やラジオにも警告情報が知らされるようになっています。

カナダ人も東北地方の巨大地震や津波の被害状況も十分承知しているので、そのような大事件が起きたときに発信されます。

カナダに流れ着いた津波の残骸

瓦礫の山
津波が去った後の瓦礫の山

12月のニュースでBC州の西海岸に同じ年の3月に起きた日本の地震による津波の残骸が流れ着いたと伝えていました。

バンクーバー島の西海岸沿いにあるトフィノという町の市長が海岸を散歩していて、日本のスタンプが押されている木材の切れ端を見つけたらしいです。

クリスマスのころにも、歯ブラシと赤ちゃんの靴下が見つかり、ペットボトルや空き缶なども拾ったとウェブサイトに写真が載っていました。

2千万トンもの漂流物がカナダやアメリカの海岸に流れてくるらしいです。その面積はカリフォルニア州ほどの広範囲に及ぶらしいです。

カナダから千羽鶴

カナダの高校生が日本に千羽鶴を送る
日本のために千羽鶴を折った高校生

この震災の後、コキットラム教育委員会の方からメールをいただきました。日本のことを心配してくれて、私の日本の家族や親せき、友人などが大丈夫かどうかを尋ねてくれました。そして、彼女の教育学区の学校が地震被災者のために鶴を折り、義捐金も集めているということを知らせてくれました。

この学校はコキットラムのパインツリーという学校で、月曜日から毎日折り紙で鶴をこしらえているということでした。募金も2,200ドル集まったそうです。これらの義捐金は「カナダ赤十字」「国境のない医師団」に寄付されます。

被災者の人たちに希望を持ってほしいという願いを込めて、カナダの高校生たちが一生懸命に千羽鶴を折ってくれました。

国があまり裕福でないインドネシアからも義捐金が届きました。それは、過去にインドネシアが震災にあったとき日本が援助したから、そのお返しに今度は彼らが助ける番だと思ってくれたのです。隣人の韓国、中国、台湾からも多くの援助がなされました。もちろん、カナダ、アメリカ、そしてヨーロッパなどの西洋諸国からも助けてもらいました。

情けは人のためならず