映画撮影

カナダのあちらこちらで映画撮影

バンクーバーの町中や公園などで大きなトラックが何台も止まっているのを見かけます。映画の機材や道具を積んでいるのです。俳優たちの化粧室や休憩室なども備わっているトラックもあります。

アパートの前で映画撮影
アパートの前で映画撮影
撮影クルーが打ち合わせをしている

Hollywood映画といっても、実は結構たくさんのフィルムがカナダで作られています。カナダでは劇場映画、テレビ映画、テレビドラマ、コマーシャルフィルムなど、年間数十本も撮影が行われています。

バンクーバーはハリウッドがあるカリフォルニアの北の方にあるので、Hollywood Northと呼ばれています。

カナダで撮影する理由

アメリカとカナダは街並みも家の中身もそっくりなので、アメリカでの話がそのままカナダでもできます。それにニューヨークやロサンゼルスは人通りも車も多いし、道路を遮断して撮影したり、雑音が入ったりしないようにするのにいろいろ面倒なことがあります。比べてバンクーバーは町がこじんまりしていて、撮影がしやすいのです。

またアメリカの8割ほどの費用で映画が作ることができることです。カナダには映画制作会社も多いし、映画を製作する設備が整っています。

町を歩くとあなたも映画俳優や女優さんに会えるかもしれませんぞ!

スタンレーパークで映画撮影
撮影の機材を積んだトラック

映画撮影にはいろんな人が関わっている

映画を作るには役者が演技をするだけでなく、様々な人が関わっています。 監督や助監督以外にも、メイク、衣装、音響、ライト、カメラ、小道具なども必要です。映画にもよりますが、スタントマンがいたり、字幕スーパーを考える人や翻訳する人も要るでしょう。 こういう人たちを養成する学校もバンクーバーにはたくさんあります。

余談ですが、知り合いにカナダ人の女優さんやエキストラとして出演している日本人の友だちがいます。舞台やセットの大工をしている友人もいます。映画産業に関わっている人も多いです。

アンブルサイド公園を占拠した撮影隊
俳優が出番を待つ車
メーキャップ室も備わっている

映画撮影には許可が必要

もちろん撮影は勝手にできるものではありません。許可もいりますし、お金もかかります。最初に「承諾書」を作成し、役所に届け出なければなりません。撮影する場所、日時や期間、そして撮影に必要なものを報告する必要があります。

例えば、銃、カースタント、火事のシーン、爆発物、ヘリコプター、動物、公園、スタントマンなどが撮影に必要かどうかなどを書いて提出します。

撮影のための申請費、ビジネスライセンス費、プロジェクトに使用する場所や道具・人材などの諸費用も掛かります。カナダはアメリカよりそれらの許可が下りやすいです。

映画作りに必要な費用の一部(2019年)

映画撮影許可料: $400
ビジネスライセンス料: $154
ダメージディポジット: $2500
市の管理費: $1,150/日
市が管理している土地や建物を使用する場合: $1,000 - $2,550/日
警察署: $120/時
消防署: $125/時
署員: $150/時

電気や水を使ったり、花火の打ち上げをしたりする場合はその費用も必要です。
消火栓:  $125/日 +水の量
花火の許可: $175

他にもいろいろと細かな約束事があり、費用が掛かります。それらをひっくるめてもカナダで制作するほうがアメリカで制作するよりも安く上がるのです。

★ バンクーバーで撮影された主な映画

● ランボー 1982
● ロッキー4/炎の友情 1982

● ネバーエンディング・ストーリー 1984
● レッド・ブロンクス 1995
● Happy Gilmore 1996
● Xファイルズ 1998
● 6DAYS 2000
● PAYCHECK 消された記憶 2003
● I, Robot 2004
● 50/50 フィフティ・フィフティ(50/50)2011
● ミッションインポッシブル 2011
● 猿の惑星: 創世記 2011
● Black & White 2012
● ランナウェイ/逃亡者 2012
● GODZILLA (ゴジラ) 2014

※日本人が出演している映画

The Hunted  1995 原田芳雄、島田陽子
Snow Falling on Cedars 1999 イーサン・ホーク、工藤夕貴
Paper Moon Affair  2005 清水美沙、ジョン・ローン