カナダ人は字が下手?
読めない字と個性的な字
今までに目にしたカナダ人の字は読みにくいことが多かったです。特に医者が書く処方箋には何が書かれているのかわかりません。しかし、薬局に行くと薬剤師はいとも容易に理解できたのです。まるで天才かと思いました。まあ慣れもあるかもしれませんが。。。
カナダ人は字が下手と言うと、「じゃあ俺もカナダ人かも」と思う人がいるかもしれませんね。そういう私もカナダ人もどきです。
もちろんカナダ人全員字が下手だというわけではありません。今までの経験から学校の先生や友人のカナダ人は字が下手な人が多かったので、ついこういう書き方になってしまいました。こういう場合は個性がある書き方をするなあ、と言えばいいのでしょうか。
昔、英語を教わった先生は左利きだったので、左手で黒板にスラスラ文字を書いておられました。とても個性的な筆運びでしたが、文字はとても読みやすかったです。そうです。この場合は個性的だといえると思います。
しかし、右利きの人がクチャクチャと分かりづらい字で書いていると、それは個性的とはいえません。もちろん特徴のある字と下手とはまったく違う次元です。
カナダでは小学生の4年生か5年生ぐらいに授業でタイプを習います。現在ではそれより前に家でパソコンを使っている家庭も多いかと思います。学校にはコンピュータールームが備わっていますのでコンピューターを使って練習します。
※カナダではノートパソコンのことをラップトップ(laptop)と言います。
lapとは「膝」のことで、「椅子に腰かけて膝の上に置いて作業できる小型のパソコン」という意味です。
最初はhome row (キーボードのA の段)と呼ばれる基本のキーを打つ練習から始めます。ASDFのキーを左の各指で、HJKL を右手の指で自由にタイプできるように動かす練習です。それから上下の段を練習します。上手くなってくると手の上に布切れをかぶせて見えないようにしてタイプさせます。
宿題やプロジェクト(何かのテーマに関して調べたことをまとめて発表する)にもタイプを使用することがあります。このようにタイプの使用は小学校時代から大人までずっと続くことになります。
カナダ人は字を書くのが下手だからタイプをよく使用するのか、タイプをよく使用するから字が上手くならないのか。。。いずれにせよ他人が読めないような文字を書くならタイプで打つほうがいいですね。
また、タイプをするのならキーボードを見ないで打つ「blind typing」(=touch typing)ができるといいでしょう。いかにも仕事ができる人のように思われますから。
真珠湾攻撃(パールハーバー)
話は少し変わりますが、映画「パールハーバー」をご覧になった方も多いと思います。日本がハワイのパールハーバーを奇襲攻撃したときの戦争映画です。それ以来、日本人は卑怯だという感情を植え付けてしまいました。
しかし、一説によると日本の外交官が日米開戦の宣戦布告を知らせるタイプを打つのが遅すぎたためアメリカに通達するのが遅れたらしいのです。それで結果的に「真珠湾奇襲攻撃」となったというわけです。
戦争はもちろんしないほうが良かったのですが、タイプをもっと早く打つことができたなら、日本人は卑怯だと思われずにすんだことでしょう。
※「真珠湾攻撃」について
当時の国際社会では戦争を始めますよと事前報告すれば合法的に開戦できました。日本の司令官が攻撃する25分前に宣戦布告を決定し、ワシントンの日本大使館に電報を打ちました。そのとき大使館では人事異動による送別会をしていたので大使館には誰もいませんでした。
翌朝職員が大使館に行き、その電報を見つけました。当時の電報はすべて暗号で、それを解読し、タイプで打ちます。しかし、このときタイプを打つ専門家はいなくて、代わりに上級書記官が慣れぬ手つきでタイプを打ちました。 当然、時間がかかりました。出来上がったその文書を大使がアメリカの国防省に持って行きましたが、すでに時は遅く、85分前に真珠湾に最初の爆弾が投下されていたのです。
(参考文献:「教科書が教えない歴史」より)