英語の歴史
イギリスはさまざまな民族によって入れ替わり立ち代り侵入され、征服されてきました。それらの侵入者の言語が「英語」に大きな影響を及ぼしています。
もともとイギリスに白人が居住していたわけではありません。最初の原住民は、アフリカ系の肌の色も浅黒く、背が低い、黒い髪の人たちだといわれています。彼らはまだ文字を持っていませんでした。
その後、オランダやドイツのほうからイギリスに渡ってきたのがケルト族です。この人々が白人の祖先なのです。彼らはCelticという言語を話していました。
それから、かの有名なジュリアス・シーザー率いるローマ軍が西方まで遠征し、イギリスは支配されてしまいました。このころラテン語が流入してきました。
何世紀か後、ポーランドあたりに住んでいたゲルマン民族の大移動が起こり、イギリスは支配されてしまいました。このゲルマン民族は3つの部族から成り立っていました。The Jute (ジュート族)、The Saxon(サクソン族)、The Angles(アングロ族)です。イギリス人のことをアングロサクソンと呼ぶのもここから来ています。
また、イギリスのことを England というのは、「Angles + land」(アングロ族の土地)から、「Engla + land」になり、「England」と変化したからです。
バイキングも英語に関わった
さて、次にイギリスにやってきたのは、viking (バイキング)です。
バイキングは北欧のスカンジナビア半島からやってきました。
そして、スカンジナビア語を持ち込みました。
11世紀後半には、Norman (ノルマン人)が侵入してきました。フランスのセーヌ川の河口あたりを「ノルマンディ」と呼びますが、「ノルマンディ」は「ノルマン人の国」という意味です。彼らは多大なフランス語をもたらしました。
14世紀に入り、イタリアからルネッサンス(文芸復興)運動が起こり、ギリシャ語やラテン語が再び関心を集め、英語に流入しました。ラテン語は最近では学校で教えられなくなりましたが、かつては必修科目でした。
16世紀には、ドイツで宗教改革が起こり、聖書の翻訳などからも英語が研究されていきました。
17世紀には英語の辞書が出版され、その後の教育の普及とともに英語の文法や語彙もまとめられていきました。
今や世界中の人々が英語圏にも住むようになり、それらの人々の母国語も英語に影響を与えています。また文化や経済の行き来によってもたらされた言葉も多いです。
英単語のつづりがややこしくて論理的でないものがたくさんあるのは、他国からの言葉の流入とその影響を受けているからといえるでしょう。