私、負けましたわ
「マダム、私はアダムです」
Madam, I'm Adam.
このタイトルの文は、人類最初の男性であるアダムがエデンの園でイブに自己紹介したときの言葉だそうです。アダムってけっこう礼儀正しかったんですねえ。
いや、そんなことはさておいて、この文をよーく見ると何か見えてきませんか?
そうです。前から読んでも、後ろから読んでも、同じなのです。こういう文を回文といいます。
みなさんもきっとこんな言葉遊びをしたことと思います。ちょっと思い出してみましょう。
回文例
単語レベルの回文
「八百屋」
「トマト」
「汽笛」
「子猫」
「きつつき」
「田植え歌」
「新聞紙」。。。
短文レベルの回文
「竹やぶ焼けた」
「ダンスがすんだ」
「磨かぬ鏡」
「確かに貸した」
「私、負けましたわ」
「関係ないケンカ」
「寒泳張り切り肺炎か」。。。
よく考えたものです。ほんと、感心しますねえ。
回文の歴史
回文の歴史は古く、平安時代にはすでに和歌で作られたものがあります。
「むらくさに くさのなはもし そなはらば なぞしもはなの さくにさくらむ」
作者は歌人の藤原基俊(もととし)。
意味が気になりますねえ。ちょっと調べてみましょう。
むらくさ:むらがり生い繁っている草
もし:仮に、 万が一
そなはらば:備われば
なぞ:どうして… か、いや… ではない
しも:にかぎって、よりによって、にもかかわらず
らむ: どうして… だろう
『群がって生い茂っている草に、もし名前が備わっているのなら、どうしてよりによって桜の花が咲いているときに咲くのだろう。もっと時期を外して咲けばいいのに。』
という気持ちを読んだのでしょうか。。。
英語の回文
もちろん英語にも回文があります。英語では palindrome といいます。
例を挙げてみましょう。
「pop」
「dad」
「mom」
「noon」
「lebel」
「racecar」。。。
単語レベルはそれほどたくさんはありませんね。
文レベルの回文を考えるのは面白いです。頭が必要ですが。。。
次に英文の回文をいくつか載せておきましょう。
最後の文は、「Was it a cat I saw?」にすると、cat の代わりに bat (こうもり)や rat (ねずみ)を入れても回文が成り立ちます。
おまけ
そういえば、何かの本でこんなのも見つけたことがあります。きっと野球で自分自身にも経験があったのでしょうね。
「タイムリースリーベースですべり、すりむいた」
いやー、世の中にはこんな言葉遊びを考えて楽しむ人もいるのですね。。。