ポップコーンと映画館
カナダの映画館に行くと、ロビーでポップコーンが販売されています。そして、映画が始まる前にたくさんの人が買っています。それも、まるでバケツのような入れ物にいっぱい入ったやつです。
どうしてどの映画館にもポップコーンが売られているのでしょう?
ポップコーンの歴史は古く、5600年前にはあったらしいのです。また、1620年の感謝祭のときに、 New England 地方のインディアンの酋長が清教徒たちにプレゼントしたと記録に残っています。
清教徒というのはメイフラワー号に乗ってイギリスからアメリカに渡ってきた人たちのことです。彼らは翌朝、ポップコーンに砂糖とクリームつけて食べたそうです。これが cereal (シリアル)の始まりだともいわれています。
さて、しだいにポップコーンがよく食べられるようになっていきました。1900年ごろには、なべに入れたポップコーンがはじける音がそこらじゅうの家庭で聞かれました。1914年には道端で作りたてのを売っている Jolly Time というブランドのポップコーンが流行りました。
しかし、そのころの映画館は意匠を凝らした高級なところでしたので、館内での食べ物は禁止されていました。ましてや当時の映画は無声だったのでポリポリ音がするポップコーンはもってのほかでした。
その後、1929年にニューヨーク株式が大暴落し、世界中が大恐慌に陥りました。
そんな中、高級な映画館は潰れてしまい、小さくて安い映画館だけが生き残りました。
それらの映画館では、人々は家で作ったポップコーンを持参したり、道端で売っているポップコーンを持ち込んで見るようになりました。
そこで劇場の主人は思いつきました!
「そんなにみんながポップコーンを持ち込むなら、映画館の中で販売すれば。。。」
それ以来、映画館でポップコーンが売られるようになったのです。もうこのころには talkies (トーキー)と呼ばれる「音」ありの映画になっていたので、ポリポリと音を立ててもよくなったのです。
ポップコーンが好まれるのは美味しいからだけでなく、安くて手に入りやすいからです。小さいコーンもフライパンの上ではじけると3倍も4倍も大きくなります。すーごく得した気持ちになれますよね。
ところで、イスラエルに行くとポップコーンの代わりに、「ひまわりの種」を食べるそうです。「所変われば品変わる」ですが、やっぱ飲み物はコーラですって。