単位の話

長さの単位

背の高さの表し方

「How tall are you ?」　
「I'm 6 feet tall.」 　　　

いきなり英語ですが、中学生でも知っているフレーズですね。

カナダでは車の免許証には背の高さがcmで表示されています。背の高さは日常ではフィート＆インチ（feet & inch）で表すことが多いです。６フィートの背の高さですと約183cmです。

NBA（National Basketball Association）で活躍している八村塁選手は6フィート8インチです。メール法でいうと、およそ2メートル3センチ。デカイですね。

さて、このfeetという語はご存知のようにfootの複数形です。footは足の指先からかかとまでの長さを表します。その長さは約30.48cm。誰の足を基準にしてのかは知りませんが、さすがに外国人の足は大きいですね。

余計なことかもしれませんが、　「あの人は足が長い」の”足”は　“foot”ではなくて、“leg”（レッグ）です。

「He has long legs.」
（彼は足が長い。）

カナダ人は全体的に足が長いので、「あいつは短足だ！」というフレーズは聞いたことがありません。翻って、日本人がズボンを買うとほとんどの人が裾上げを必要としますね。

テレビとパソコンの大きさ

それから、テレビやコンピュータのディスプレイはインチで表していますね、inchは親指の幅からできた単位といわれていて、1 inch ＝ 約2.54cmです。 これは昔から日本で使われていた“寸”と同じように人の身体を基準に長さを決めたものですが、”寸”はおよそ3.03cmあります。日本人のほうが親指が太いのですね。ちなみに”寸”という漢字は右手の形に指一本を書き加えた象形文字です。

ヤードとマイル

ところで、ゴルフのとき、距離を表すのにyard（ヤード）を使います。『残り150ヤード、９番アイアンでいいか』なんて言いますよね。あッ、すいません、パワーヒッターの真似をしてしまいました。7番アイアンをお願いします。

このyardは1200年ごろにヘンリー１世が自分の鼻の頭から伸ばした腕の指先までの長さを１ヤード（ 0.9144 m） と決めたという説があります。いくつか説があるので、興味のある人は調べてくださ～い。

他にも距離を表す単位としてはmile（マイル）があります。mileは人が1000歩歩く距離を表します。このときの１歩とは左右１歩ずつをあわせて１歩としています。ですから、１歩は約1.6mになります。そして1000歩だから約1.6kmというわけです。日本人の足で考え出したとしたら1mileはもう少し短かったでしょうね。

面積の単位

面積についてですが、家や土地の広さ、カナダでは農場・牧場などの広さに関して話すときに出てきます。

身近な話ですと、カナダでアパートを借りるとき、アパートの広さをsquare feet（スクウェア・フィート）で表示しています。

ところがメートル法しか知らない人には、square feetで表されてもその広さがどのくらいあるかピンとこないですよね。いちいち平方メートルに換算し、やっと広さがわかります。面倒ですね。

因みに、バンクーバーのアパートの広さは1ベッドルームで６００～７００square feetですから、約５６～６５平方メートル。２ベッドルームでは８５０～９５０square feetなので約７９～８８平方メートルです。日本のアパート（マンション）より随分広いです。

普通、アパートの広さなどはsquare feetで表しますが、別の言い方を聞いたことがあります。私の知り合いで物凄く広い一軒家に住んでいる人はエーカー（acre）で表現していました。その人の土地は４分の１エーカーの広さがありました。日本だとこの土地にいったい何軒の家が建っていることでしょう。

※１acreは約4047平方メートル。64メートル四方の広さ。

今思い出しましたが、リッチモンドにいる私の親戚のおばさんの土地も広く、奥行きが50メートルほどありました。今はその土地を半分息子さんに与え、息子さんが家を建てて住んでいるそうです。

重さの単位

最後にスーパーなどに買い物に行ったときに、よく見たり、聞いたりする、重さの単位について記しておきましょう。

肉や魚や野菜などを買うとき、カナダではグラムやキログラムで表示されていません。poundで表すのです。発音は「パウンド」です。１pound ＝ 約450g です。 lbという記号を用いて表示しています。

例えば、90￠ / lb と書いてあれば、￠はセントのことですから、１パウンドにつき90セントという意味です。lbはラテン語の重量単位を表すLibraからきています。

パウンドは人の重さにも使います。そういえば、プロレスやボクシングでリングアナウンサーが、「ぅあかコーナー、２６５パウンド４分の１、XXOO～ッ！」なんて紹介していますね。パウンドで言われてもピンときません。日本で行われる試合だったらkgを使ったらいいのにと思うのは私だけでしょうか。

単位統一の歴史

他にもいろいろな単位があります。昔はそれぞれの国で使用する単位が異なっていました。それぞれが自分たちの言葉で、自分たちが作った単位を使用していました。

次第に他の国の人と貿易や商売をするようになり、いろいろな品物を計る単位が違うととても不便でした。

そこで、今から200年以上前にフランスが中心となり、世界中の単位を統一しようと呼びかけました。何を基準にした単位を作ろうかと考えた挙句、地球の周りの4000万分の１の長さを１メートルと決めたのです。地球の周囲の長さをきっちり計測したのかという疑問はありますが。。。

「メートル法国際条約」が作られ、日本は１９２１年に参加しています。全面的にメートル法が完全実施されたのは、1966年（ 昭和41年）4月1日です。

イギリスは１９９２年に、アメリカも１９９５年に調印しています。イギリスはメートル法をだいぶ使うようにはなってきていますが、アメリカは変更するつもりがないようで、まだまだヤードやフィート、ポンドなどの単位を使っています。

カナダは基本的にメートル法を使用しているのですが、アメリカの文化や経済と近いため、メートル法とヤード・ポンド法が入り混じっているのが現状です。

長さ・面積・重さの単位のまとめ

最後に長さ・面積・重さのヤード法からメートル法に変換する一覧表を書いておきます。