カナダ人はどんな人？

ちょっとそこまでが2時間

BC州の内陸部にサマーランド（Summerland）という人口1万人を少し超えるぐらいの町があります。オカナガン湖の西に位置し、夏には多くの人が訪れます。この町はバンクーバーから４３０km ほど離れているのですが、高速道路が走っているので車だと４時間半ぐらいで行くことができます。

通常カナダの都市部は時速５０ km ですが、田舎道だと時速８０ km のところもあります。高速道路は普通８０ km から１００ km ですが、内陸部では制限時速が１２０kmのところもあります。学校の近く（スクールゾーン）は 制限時速が ３０ km なので注意しましょう。

車のスピードリミットは国によって異なります。アメリカのテキサス州の一部道路では最高速度が１３７km（８５mph・アメリカはマイルで表示します）、そして、なんとアラブ首長国連邦（UAE）では最高時速１６０kmとなっています。

さて、旅行したときの話です。移民になって最初の夏、サマーランドに1泊で遊びに行きました。小生の母親と家内の友人のSさん、そして子供二人と一緒でした。

旅行中はオカナガン湖で泳いだり、サクランボ摘みをしたりしました。夕方の食事時には美味しい地元ワインを飲みました。オカナガン地方はワイナリーがたくさんあり、美味しいワインをたくさん生産しています。

2日間楽しく過ごして帰路につきました。カナダの道路は広いです。ハイウェイを順調に飛ばしていました。しかし、急な坂が長く続くコキハラハイウェイの途中でエンジンの調子がおかしくなりました。

このハイウェイは有料で、料金所があります。何とかそこまで行けば誰かにエンジンを診てもらえるかもしれないと、今にも止まりそうな車を走らせました。

料金所についてボンネットを開けたら煙が出ていました。大人4人と小さな子供二人、そしてエアコンをかけていたので、オーバーヒートしてしまったのでした。料金所の人は修理できないというので、BCAA（日本のJAFのようなもの）に連絡してレッカー車を呼びました。

間もなくレッカー車が来てエンジンを見てくれましたが、すぐには直らないので近くの自動車修理工場に行こうと言われました。BCAAの人が「すぐ近く」と言ったので１０分か１５分も走れば修理工場に着くだろうと思いました。

しかし、３０分経っても、1時間たっても着きません。まだかと運転手に尋ねても、もうすぐだよって返事が返って来るばかり。

やっと修理工場に着いたときには２時間経っていました。このときカナダ人がちょっとそこまでという言葉は信用できないと思いました。

でも、広いカナダでは時間や距離の感覚が日本人とは異なるのですね。カナダでは2時間は「すぐそこ」なのです。

カナダの面積は日本の27倍。なので、距離が長くても「すぐそこ」になるのでしょう。そういえばカナダ人は少々道のりが遠くても車を運転するのに文句を聞いたことがありません。これも広さに慣れているからでしょう。

※BCAA = Brithish Columbia Automobile Association （ブリティッシュコロンビア自動車連合）
※JAF = Japan Automobile Federation （日本自動車協会）　

カナダ人は時間にルーズ？

今度はパーティの話です。小生の息子が参加していた少年野球チーム（リトルリーグ）の打ち上げパーティがあり、夕方6時から始めますと連絡がありました。息子を連れて家内とパーティが催される家に行きました。

しかし、まだだれも来ておらず、ホストの母親はオーブンで何かを焼いている最中でした。何か手伝うことはないかと訊ねましたが、リラックスして待っていてちょうだいと言われ、飲み物を進められたので、ビールをもらいました。そして３０分ほどしてぞろぞろと子供たちと親が集まってきたのでした。

みんなが揃うまでとても長く感じました。日本人は約束の時間があれば、その５分ほど前に行くのが普通です。しかし、カナダ人はパーティなどで遅れていくのが常識らしいのです。

これをカナダ人は時間にルーズだと決めるのは違うかもしれません。それがカナダの常識なのですから。

カナダ人は大らか

「すぐそこ」や「時間に遅れる」ことがカナダ人はいい加減だと決めつけるのは間違っているかもしれません。カナダ人がそう考えるのは土地の広さに関係しているように思います。なにせ面積が日本２７倍、人口が３．５分の一ですから、単純に考えて日本の９５倍もスペースがあるのですから。

日本では電車や地下鉄が時間通りに来るのが染みついています。時間の計算が出来て便利ですね。でも、他の国ではそんなにきちんと時間通りに到着したり、出発したりすることは少ないのです。